秘密の記憶は恋の契約
(うわ・・・!すごい美男美女・・・)


座っていた椅子から立ち上がり、思わず目を奪われる。


(この人が佐々木さんか・・・。課長がめちゃくちゃキレイって言ってたもんね・・・納得)


一緒に来た男性も、いかにも「仕事のできるイケメン男子」という出で立ち。


(綾部くんだってかっこいいし・・・)


私は、自分だけがちんちくりんな気分になって、なんだか肩身が狭くなる。


(いやいや、見た目がなんだっていうんだ!ここはタレント業界じゃないんだし!)


そう自分に言い聞かせて、うつむきかけた顔を上げると。


(・・・?)


佐々木さんが大きく目を見開いて、驚いた様子で固まっていた。

その視線の先には、同様に、硬直状態の綾部くんがいる。

「恭一・・・?」


(え・・・?恭一・・・?)


綾部くんを見つめながら、窺うように彼の名前をぽそりと呟く佐々木さん。

私はドキリとして、思わず耳を疑ったけど。


「涼香・・・」


(!?す、すずか!?)
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