最高の恋の見つけ方
「いつかって、いつ?」


「わからないよ」


「葵くんが、大人になって、私も、一人で生きてけるくらい、強くなったら、いつか、が来る?」


「一度、完全に離れないといけないんだと思う。俺と絵里は」


「お互いのために」


私は立ち上がって、葵くんの肩を叩いた。


「わかってるよ、葵くん」


「これで、恋人ごっこは終わり。帰ろうか、絵里」


葵くんは、ドアを空けて、部屋を出た。私も葵くんの後を追った。


私は、一瞬振り返って、二人が愛し合ったベッドを見た。


現実じゃないみたいだから。

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