最高の恋の見つけ方
「手首、赤くなっちゃったね」
純は手首の赤い痕を、そっとなぞる。
私たちは、心地よい疲れに身を任せる。
「彼氏とは、どのくらい付き合ってるの?」
「知り合って15年、好きになって8年、付き合って6年かな」
「本当に?」
「本当だよ、幼馴染みだから」
「仲いいんだな」
純は私の髪を撫でた。
「でも最近、なんかしっくりしなくなってきた」
「だから俺と寝たの?」
純の声は優しい。
「純が教えてよ」
「いいよ」
純は私を見つめた。
「絵里はもう、俺のものだから。覚えといて」
「葵くんは、もう、欲しくないの。もう、いらないの」
私は言い聞かせるように、そう言い捨てた。
それは雨の音が煩い夜だった。