最高の恋の見つけ方
「ここで降ろしくくれていいよ」
家からそう遠くない交差点の近くまで、純に車で送ってもらった。
「ありがとう」
いつもなら、すぐに車から降りて、助手席のドアをぶっきらぼうに開ける純なのに、車を路駐したまま、黙っている。
「じゃあ、私、行くね。」
握られた手を無理やり離す私。
「今まで、ありがとう。さようなら」
ドアに手を掛けた。
「待って」
私を抱きしめてきた純は、私の背中越しに遠くを見ていた。
「絵里とキスしたい。しないと帰さない」
こんな子供っぽいことを言う人だとは思わなかったけど、少しかわいいと思ってしまう私。
「これが、最後ね」
「とりあえず、そういうことにしとく。キスしたいし」
純の頬に手をつけて、そっとそのやわらかくて、綺麗な唇にキスした。
「じゃあね」
「またね」
純がそう言いかえす。
車から出て、純を振り返ると、小さく手を振ってくれた。
うまく別れられなかった。はぐらかされた。でも、心のそこでは、嬉しかったのを否定できない。引き止めてくれて、嬉しかった。
純の車が去っていくのを見送って、私は歩き出した。
そこで初めて気が付いたのだけど、目の前に、葵くんが立っていた。
家からそう遠くない交差点の近くまで、純に車で送ってもらった。
「ありがとう」
いつもなら、すぐに車から降りて、助手席のドアをぶっきらぼうに開ける純なのに、車を路駐したまま、黙っている。
「じゃあ、私、行くね。」
握られた手を無理やり離す私。
「今まで、ありがとう。さようなら」
ドアに手を掛けた。
「待って」
私を抱きしめてきた純は、私の背中越しに遠くを見ていた。
「絵里とキスしたい。しないと帰さない」
こんな子供っぽいことを言う人だとは思わなかったけど、少しかわいいと思ってしまう私。
「これが、最後ね」
「とりあえず、そういうことにしとく。キスしたいし」
純の頬に手をつけて、そっとそのやわらかくて、綺麗な唇にキスした。
「じゃあね」
「またね」
純がそう言いかえす。
車から出て、純を振り返ると、小さく手を振ってくれた。
うまく別れられなかった。はぐらかされた。でも、心のそこでは、嬉しかったのを否定できない。引き止めてくれて、嬉しかった。
純の車が去っていくのを見送って、私は歩き出した。
そこで初めて気が付いたのだけど、目の前に、葵くんが立っていた。