最高の恋の見つけ方
「あの人と、寝たの?」



「え、」



「寝たの?」




無言で、うなだれる私を、葵くんはゆすった。



「なんで、そんなことしたのかな?」



「別れ、たかったのかもしれない。葵くんと」



「別れたかったの?」



「好きだけど、別れたかったの」



「どうして?あの人を好きだからじゃないの?」




「自分の気持ち、わからないよ」



「じゃあ、教えてあげる」




「え、」



「別れるってどういうことか」




冷たい葵くんの表情に、私はおじけついた。




「別れたかったんでしょ、じゃあ別れよう」



葵くんの瞳から、とめどなく、涙が流れている。


私があわてて葵くんの涙をぬぐおうとすると、その手を、かわされた。











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