最高の恋の見つけ方
純と出会ったのは8月の花火大会の日だった。




紺地に牡丹の花をあしらった浴衣を着て、私と友達の
ゆいはりんご飴を食べながら歩いていた。


「葵くんは今日はサッカーの合宿なんでしょ?」

ゆいがニコニコしながら私に言った。


「そうだよ でも ゆいと一緒に出掛けられてちょっと嬉しいかも」


ちょっとのんびりしているけど、とても気がきいて優しいゆいは大好きな友達だ。


私は軽くゆいの手を取った。



その時ちょうど花火が始まった。
はじめの光が空に上がった少しあとで、ドンドンという音が遠くで響いた。


「このまま終わらなかったらいいのにな」

思わずつぶやいた私に、ゆいは、夏休みのこと? それとも花火?と聞いた。


「両方だよ。ずっと何もかもこのままだったらいいのに」

私たちは 暗い空に広がる無数の光を ぼんやりとながめた。






















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