最高の恋の見つけ方
その夜、クリスマスイブがクリスマスに変わる頃、小さく窓をノックする音で、目が覚めた。



夢のなかで、葵くんが現れたんだと思った。



「葵くん?」


カーテンを開けると、葵くんが本当にいた。


窓をあけて、葵くんを部屋に入れる。



「これは、夢なのかな?」



「現実だよ、絵里」



「どうしたの?急に?」



「今日、絵里が、悲しそうだったから、俺のこと、夢で呼んでた」



嬉しくて、涙がをこらえるのが、つらい。



「うん、呼んでたよ、ずっとずっと、会いたかったよ」



昔みたいに、優しい葵くんの眼差し。懐かしくて、胸が痛い。



「桜さんに、悪いかな?」



「うーん、桜とは、正式に付き合ってるわけじゃないよ、ちゃんと、それでもいいならって言ってある。他の女の子と二人で出かけたりもしたし、桜も知ってるから」


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