最高の恋の見つけ方
花火が終わってしまったので 私たちは帰ることにした。



「ごめん絵里、 私もう歩けないかもしれない」


ゆいがそう言った。なれない下駄をはいたので、靴擦れしてしまったのだ。


その時隣にいた純の友達が私たちに話しかけてきた。



「大丈夫？車に戻ったら絆創膏あるけど とってきてあげようか？」


申し訳なかったけれども 背に腹はかえられないので、お礼を言って取りに行ってもらった。



純の友達が車に走っていくと、3人になった私たちはぽつりぽつりとしゃべり始めた。主に ゆいと純が喋っていたのだけど。


純は 見た目よりはほがらかな人だった。


二人とも大学院に入ったばかりの22歳だと知った。



友達の名前はそうたさんといって同じ大学の研究室に在籍していて、時間が合えば飲みに行ったりする仲なのだそうだ。


しばらくするとそうたさんが走って戻ってきて、ゆいの足に優しく絆創膏を貼ってくれた。



ゆいは恥ずかしかったのか 真っ赤になりながら、ありがとうございます、と言った。



そうたさんは 眼鏡をかけていてとっても真面目そうだけれども、よく見ると可愛い顔をしている。



私たちが高校3年生だというと、若くていいね、と言われた。


何となく、名残り惜しくなって、limeを交換しあって、 私たちはさよならを言った。
< 6 / 147 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop