最高の恋の見つけ方
D大の合格発表の日、残念ながら、私の受験番号はなかった。




なんか、上手くいかないテストだったから、少しは覚悟していたけど、A判定の大学に落ちるというのは、素直にくやしい。



勉強に関しては、優等生だった私にとっては、初めての挫折かもしれない。



でも、結局は縁がなかったんだと思う。



A大にはゆいも行くし、まだM大の発表も残ってるし、と思って、気を取り直した。



がっかりしている私に、純が慰めるように言った。



「じゃあ、来週末、箱根につれってってあげるよ、受験勉強がんばったご褒美」



「明日、M大受かってたら、お祝いになるなぁ」




「どっちにしても、行こう」



「はい、まかせたよ、純君」




食後のデザートのティラミスをつつきながら、軽口を叩く私に、相変わらずクールな振りしつつ、実は一番喜んでる純。


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