最高の恋の見つけ方

それから、純とはたまにLimeでやりとりするようになって、少しずつ仲良くなっていった。

私の彼氏の葵くんは部活が忙しいから、夏休み前にブラスバンド部を引退した私は学校が終わってから、純と簡単なやりとりを一日二往復くらいするのが日課になった。


何でそんなことをするようになったのかは、分からない。多分外の世界を知りたかったからかもしれない。

私は暇になると、純が白衣を着て、顕微鏡で細菌を覗いたり、ビーカーにわけの分からない液体を混ぜ合わせて、眉間に皺を寄せている姿を想像した。


18歳でただの高校生の私には、それだけで十分、大人の世界だった。



純はどうして、私みたいな子供の相手をしてくれたのかな?


よく分からない。



私はどこにでもいる普通の受験生だ。高校はそれなりの進学校で、推薦でもそれなりの大学にいけるのだけど、私はM大を目指している。将来何になりたいのかが、分かればいいのだけど、今はどうしても浮かんでこないから、M大に合格するのが、今のところ、私の夢だ。


英文科に入って、もっともっと、英語で本を読んだり、ついでに英語を話せるようになりたい。それでどうなるのか分からないけど、何か、将来やりたいことが見つかったときに、役に立つんじゃないかって、漠然と思っている。

それに私はヘミングウェイとか、トルーマン カポーティとか、アメリカ文学が好きだから。


私は学校では、葵くんの彼女なのをみんな知ってるから、そんなにもてるとも思わないけど、見た目は悪くないんだと思う。
たまに白雪姫なんて言われるのは、肌が白いからかもしれない。髪は少し伸ばしているから、普段はポニーテールにしている。葵くんがすきなんだ、そういうのが。



私だって、そのくらいは尽くすのだ。正直、ポニーテールは似合っていると思うし。
葵くんの嬉しそうな顔みるのも大好きだから。









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