最高の恋の見つけ方
私を見つめる葵くんは真剣そのもので、周りに人だかりが出来てきても、葵くんは気にしない。
私も、気にしない。
まるで、時間が歪んで、二人しか、この場所にいないような気がする。このまま時間が止まってしまったみたいな感覚。
「じゃあ、いいよ、葵くんの告白、聞かせて」
私は葵くんを挑発した。
葵くんは一瞬、戸惑ったような顔をしてから、また、刺すように鋭く、私を見た。
「絵里」
「はい」
私も覚悟を決めた。周りのFCの子たちも、ゆいも、真剣に葵くんの言葉を待つ。彼にはそういう、不思議な力がある。
葵くんが深呼吸する。
皆も、それを真似て、深呼吸する。私も。