溺愛結婚!?〜ふたつ目の婚約指輪〜
そうか。
濠はこのお店を以前から予約してくれていたんだ。
出張でフランスに行っている間、私に『宿題』というサプライズをいくつも用意していた濠が、いまさら何をしてもそれほど驚かない。
むしろ、「またか」と思わなくもなくて。
濠の思うがまま、好きなように洗脳されてきたなと、思う。
あの一週間に味わった驚きと喜びを超えるものはこの先ないだろうと気軽に考えられるし、今も動じることなく濠の目の前で穏やかでいられる。
私も強くなったな。
あれほど濠との未来を不安に思い、苦しみを昇華できずに過ごしていたのに。
そして、濠から離れた方が濠のためになると思い込み、勝手に逃げ出そうとしていたのに。
結局、私は濠から離れることなんてできないと改めて実感させられただけだった。
濠を愛していると、以前にも増して強い思いを抱くという結果になったあの一週間。
私の行動はすべて空回りしていたにすぎなくて落ち込んだ。
でも、そんな私の行動を察知した濠が用意した『宿題』によって、濠と私の関係は更に深まった。
二度と離れることはできないと確認し合い、すぐに入籍することにもなったし。
一生忘れられない一週間であり、濠が用意してくれた『宿題』は、結婚に導いてくれる甘い甘いレッスンだった。
本当に、甘い……。