黄昏と嘘
ダンボールのフタを開けたところにあった水色の封筒が目についた。
このダンボールに入っているということはチサト宛だろう。
なんだろうか、と彼女が封を返すと裏には「石田モモカ」とあった。
どうやらこの手紙はモモカがチサト宛に書いたもののようだ。
チサトが急いで封を開けると中にはそこには懐かしい文字があった。
『チサトちゃんへ
今回は私のことでごめんね。
これからのチサトちゃんがいつも気になってたんだけど、逆に気遣ってくれるチサトちゃんだったから
何も言えなかったの。
でもこうして新しいところが見つかって本当にこころからホッとしています。
たった2年と少しだったけれど、チサトちゃんと一緒に暮らした日々はとても楽しかったです。
この手紙を見る頃は、新しいところでスタートを切って毎日過ごしているだろうと思うけど、たまには私のことも思いだしてね。
石田 モモカ』
チサトは無意識のうちに何度も何度もその手紙を読み返していた。
そして何回目か読み返した時、涙が頬を伝う。
石田さんと一緒の頃に戻りたい……。