黄昏と嘘

カーテンの隙間から差し込む朝の光でチサトはぼんやりと目が覚めた。
眩しいな、と思いながら両手で目を塞ぎながら小さくあくびをする。

昨夜あんなことがあったせいか眠れたのか眠れなかったのかよくわからないような感覚。

このままずっと寝てたい…。

そんなことを思いながらも意識をゆっくりとよそに向けるとキッチンからモモカの気配がする。

夕食は交代制だけど朝食は彼女が「私の方が早いし、ついでだから」と毎朝、用意をしてくれている。
チサトは申し訳ないなと思いながらいつも彼女のそのやさしい言葉に甘えていた。

そして今朝もまたいつものように起きることもせずぐずぐずとベッドの中で過ごしていた。

ああ、でも今日は違う、このまま自分の部屋にひきこもっていると余計に彼女に気遣わせてしまうから起きて彼女と何か話をしなければ。
と枕元にある目覚まし時計をながめながら考える。

このまま部屋に引きこもったままでモモカが出勤してしまうことになると彼女に気を使わせてしまうことになる、
そう思ったチサトはガバッと起き上がり急いで部屋を飛び出した。

相変わらずのボサボサ頭のパジャマ姿で。

ダイニングへのドアの前に立ち、大きく息を吐き、いつもの笑顔でドアを開ける。


「……おはようございます」

チサトの声にモモカが笑顔で振り向く。

「オハヨ。今日はちょっと遅かった?」

モモカは壁にかかっている時計を見ながら返事をする。チサトも同じようにつられて時計を見る。

「あ……そう、……そんな感じですかね」

チサトはそう答え照れたような表情をした。

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