黄昏と嘘
どれくらいの時間がたったか気付けばあたりはもう真っ暗に鳴り、涙がこぼれおちてチサトは我に返る。
「あ、私、泣いてる……?」
なにかわからないけれど、はっきりとわからないけれど、チサトはアキラが大きな闇を抱え込んでいるように感じた。
もしかしたら、だから、冷淡な言動で人を寄せ付けないようにしているのかもしれない。
そして指をそっと唇に当てる。
アキラがあんな態度をとったのはただチサトを驚かすためだったのだろうか。
脅迫のつもりだったのだろうか。
でもチサトは……そんなことよりも。
先生は嘘つきだ。