揺恋〜変わらずに揺らぐ気持ち〜
「彼方、これ、お菓子のゴミばっかりじゃーん。」
「いいだろー。おいしかったって証拠だよ!!そーゆー美結奈もただの玉じゃーん」
「ただの玉じゃないよっ!お母さんからもらったぱわーすとーんってやつだよ!!このピンクは恋を叶えてくれてこの黒いのは…」
「恋!? 美結奈恋してるの?」
「ま、まだしてないよ!!!!」
恋。
この頃の私達にとっては無縁だった。
そもそも恋というのがどのようなものなのか、それすらもわかってなかった。
「じゃーこれでいいね!」
「美結奈ー未来の手紙見せてよー」
「は!今見たら意味ないじゃん!!」
「そっか!」
そのタイムカプセルは
近所の遊歩道に植えてある
1番大きい木の下にうめた。