ありふれた恋でいいから
お茶の用意を済ませ、ソファの前に腰を下ろすと、玲ちゃんは覚悟を決めた表情で私を見つめる。

「…何?」

その真剣な様子に、息をのんで次の言葉を待った。

「私も最近知ったことでね。もう言うべきことじゃないのかもって…私の心にしまっておくべきことなんじゃないかって…思ってたの」

「…うん?」

「でも、慶介さんと別れた今の実乃になら伝えるべきことなのかもしれない……」

前置きを述べた玲ちゃんの口から語られたのは。





「畑野くんとミキちゃんの間には、本当は…―――」







とても衝撃的な、事実だった―――。






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