ありふれた恋でいいから
古びた絵馬掛所。
日焼けしてくすんだ木々の重なり合う中、一番上に掛けられている、一つだけ真新しい白木の絵馬。
どうしてだろう。
俺は吸い寄せられるようにそれに近付いた。
他人の願い事を覗くのは罰当たりだと分かっている。
けれどどうしても抑えられない、根拠のない衝動に、それを裏返すと。
「――――・・・」
あるはずの無い願い事がそこにはあった。
日焼けしてくすんだ木々の重なり合う中、一番上に掛けられている、一つだけ真新しい白木の絵馬。
どうしてだろう。
俺は吸い寄せられるようにそれに近付いた。
他人の願い事を覗くのは罰当たりだと分かっている。
けれどどうしても抑えられない、根拠のない衝動に、それを裏返すと。
「――――・・・」
あるはずの無い願い事がそこにはあった。