ありふれた恋でいいから
「それは…俺、期待していい答え?」



言葉なんて要らなくて。

ゆっくりと頷いた私を見つめる彼の指先が。

私の頬に、そっと、触れた。




もしかしたらこの世の中に、神様は存在するのかもしれない。



「須藤…」


「……畑野くん」


彼に、この手で触れることが出来るのなら。





「会いたかった……」





「私も―――」





「もう、二度と離さない――…」





もう何も欲することがない程に、彼を抱きしめることが出来るなら――。




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