ありふれた恋でいいから
須藤が自分の彼女になったという奇跡は、俺の生活をも一変させた。

よく恋愛にのめり込み過ぎて勉強が疎かになったりするとか言うけれど。
周りだけでなく自分でも驚くぐらいにそれが当てはまらないことを悟った。

俄然、やる気が出る。
ちょっとぐらいの睡眠不足も気にならない。

文系の彼女と理系の俺が一緒に勉強すればお互いの弱点なんかもカバーし合って。

「畑野…どうしたよお前、今のままキープ出来たらこの学部もいけそうだぞ」

すげえな、と進路指導を担当してる担任までも唸らせた。

何もかも順調で少し怖くなるぐらいの毎日だったけど。
初めて彼女とキスをして。
初めて彼女の肌に触れた時はそんな不安は何処かへ飛んでいくぐらい幸せだと思った。
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