☆子犬系男子にご用心☆
放課後、用があるという志保を残し、私は一人階段を下りていく。
「もお、やだぁ!臣ったら!」
「なんで?いいじゃん」
賑やかな声が聞こえてくる。
女の子の声が呼んだ臣という名前に足を止めた。
やだ、なんで反応してるのよ。
「そういうのは、好きな人としかしないの」
「えー。臣の好きな人って誰よー!」
声はどんどん近づいてくる。
行かなきゃ。
別にここで止まる意味なんてないのに。
「あれ?結芽ちゃん!?」
聞きなれた声がそっちの方から聞こえる。
振り返ると、臣が駆け寄ってくるのがわかった。
その向こうには、さっきまで臣と話していたであろう女の子たちが3人。
その中の一人に、この前臣を呼びに行ってくれた子がいた。
「・・・」
あれ?
なんか、睨まれた?