☆子犬系男子にご用心☆
「別に、僕の心の中まで見せてるわけじゃない」
冷たく突き放すような言葉。
仲好さそうに見えたのは、ただの見せかけだってこと?
臣自身にその気はない?
怖いと思った。
ニコニコと笑っている中で、臣は何を考えているの?
その笑顔の下に、なにを隠してるの?
「私には・・・」
「なに、僕の事そんなに知りたい?好きって言ってくれたら教えてあげるよ」
「な、なにバカなこと言ってるのよ!」
「本気なのに」
頬を膨らませる。
どこまで本気なの?
わからないよ。
「でも、結芽ちゃんの事大好きなのは、本当だよ」
「それが、わけわかんないの。私のどこがそんなにいいのよ。それに臣の本当の姿って、どれなの?ヘラヘラしたり、今日のお昼みたいな・・・」
そこまで言って、あのキスを思い出して顔が熱くなる。
やだ、思い出しちゃったじゃない。
「キスの事、思い出しちゃった?」
臣が落とすように笑いながら私の顔を覗き込む。