☆子犬系男子にご用心☆
屋上から中に戻ると、重い足取りで階段を下りていく。
こんな自分嫌い。
ドロドロした感情で、後ろ向きで。
人を不快にしかさせない。
いつか臣にも、見放される。
こんな私を好きでいてくれるわけない。
「先輩」
階段の踊り場で突然声が聞こえ立ち止まった。
咄嗟にとまったけど、私だった?
気になって辺りを見渡すと、そこには見覚えのある女の子が立っていた。
「あなた・・・」
臣のクラスの、臣を呼びに行ってくれた女の子。
そんな彼女が私になんの用だろう?
「水沢優樹菜です」
「あ、水沢さん・・・。えと、私に用?」
水沢さんは私を睨みつけるように力強い視線で私を見た。