☆子犬系男子にご用心☆
想いの丈
結芽ちゃんが突然用があると言って切り上げた後、しばらくは志保さんと普通に会話をしていたけれどやっぱり気になって後を追うことにした。
最近、自分の中のもやもやを処理しきれず結芽ちゃんにあたっていたのは自分だ。
そのせいで結芽ちゃんは居づらくなっているのはわかりきっていたことだった。
どうにか謝って、元の関係に戻せたらと思案してみてもどうすればいいのか答えなんかでなくて。
屋上から降りる階段を下りていくと、誰かの争う声が聞こえた。
争うと言っても、聞こえてくるのは一人の声。
一方的に怒鳴られてる感じ?
階段を下りていくと言い争ってる二人の姿が見え始めた。
あれは、優樹菜?
最近やけにからんできてうっとおしいと思い始めていた。
相手は・・・。
気になって急ぎ足で階段を下りていた時。
「いつまでたっても臣があなたの事忘れられないじゃないですか!!!」
突然叫ばれた自分の名前にハッとした次の瞬間、向かい合っていた子の身体がバランスを崩し階段を大きな音を立てて落ちていくのが見えた。