☆子犬系男子にご用心☆
「立てる?」
「あ、はい・・・・っ!」
松本先生に促され、ベッドから降りようと足を下ろすと足首に激痛が走った。
ズキズキと痛む足首に涙がにじむ。
「結芽!もしかして、足が痛いのか?」
「ひねったのかしら・・・。もしかしたら折れてるかもしれないわね」
春兄が私の足を優しく触る。
触れられたところが熱い―――――・・・。
ふとその先にいた臣が、苦しそうに唇を噛んだのが見えた。
・・・・臣?
「俺がおぶってやる」
「えっ、いいよ」
「そんな足じゃ歩けないだろ」
私の前に背中を向けてしゃがみ込む春兄は本気だ。
いくらけがをしたからって、春兄に背負ってもらうのは・・・。
春兄は、先生だから心配して言ってくれてるんだよね?
そう思うと、胸がずきりと痛んだ。