☆子犬系男子にご用心☆
春兄の車までついて、私は臣の背中から降りた。
春兄に支えられながら車に乗り込む。
助手席には松本先生も乗り込んだ。
その車を見送るように臣はずっと立ち尽くして私が乗る車をじっと見ていた。
臣を、傷つけてしまったかもしれない。
「結芽、平気か?揺れとかしんどくないか?」
「はい。大丈夫です」
「しんどかったら横になってなさいね」
「はい」
春兄と松本先生に優しく声をかけられ私は笑って答えた。
「それと、高城先生。プライベートでも関わりがあることは知ってますけど、ここは学校なんですからね。下の名前で呼び捨てるのはやめなさい」
「あ、すいません。普段は弁えてるんですけど・・・つい」
「心配で動揺しているのはわかりますけどね」
松本先生と春兄は、趣味が一緒で仲がいいらしい。
ずいぶん前に話してくれたことを思いだした。
松本先生の方が年上で春兄はしっかりしりに敷かれているんだと。
まるで奥さんみたいだって、その時は笑って言ったっけ。
もし春兄が誰かと付き合うとしたら、松本先生だと思ってたのに。