☆子犬系男子にご用心☆
私が怒鳴る前に、もっと大きな怒鳴り声が響いた。
校門の先にいるのは生活指導の袴田先生だ。
「げ」
彼、麻生君はあからさまに嫌な顔をする。
「こら、麻生!お前、その髪色直して来いと言っただろうが!」
「これは、地毛ですー」
「そんなわけあるか!お前生粋の日本人だろうが!」
「僕の父方の祖母の兄の従妹の・・・曾おじいさんが外国の人だったのかもしれません!」
「例えそうだとしても遠すぎるわ!!!」
袴田に捕まったとなると10分は解放されない。
今のうちに逃げてやる。
私はこそこそと側から離れていく。
「あ、結芽さん!ちょっと!」
そんな私に気づいた麻生くんは声を上げる。
「こら、麻生!話はまだおわっとらん!」
呆気なく袴田に捕まった。
ご愁傷さまだよ麻生くん。
しっかり反省しなさい。