☆子犬系男子にご用心☆



朝。
目が覚めて支度をして階段を手すりを掴んでゆっくり降りていく。
足を付けるとどうしても痛いから片手には松葉づえを持ち慎重に降りる。



ふと玄関から声が聞こえた。




「あらこんな朝早く、どうされたの?」

「あ、結芽ちゃんが心配で。出勤遅らせたので一緒に連れて行こうかと・・・」




春兄の声?
それと、お母さん・・・。

春兄、私を迎えに来てくれたの?




「いえ、ご心配なさらないで。今日は私が送っていくつもりでしたから」

「え、あ・・・。そうですか」

「なにかと娘を気にかけてくださっているようですけど、高城さんとうちの娘にはなんの血縁も関係もないんですから、お気づかいは必要ありませんので」



お母さん、なに言って・・・。




「すいません。でも、心配は心配なので・・・でも、今日は失礼します」




春兄はそう言うと帰って行ってしまった。





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