☆子犬系男子にご用心☆
お母さんは大きくため息を吐くと踵を返しリビングに入っていった。
私は止まっていた体を動かしそのあとを追ってリビングに入る。
「・・・階段から落ちたんですって」
「あ、うん・・・」
「面倒ばかり起こさないでちょうだい」
ため息交じりにそう言われた。
大丈夫、胸なんて痛まない。
期待なんて、しない。
「ごめん、なさい・・・」
「あなた、まだあの高城さんと関わりがあるの?」
「え?春兄は・・・私の担任でもあるんだよ?」
「え・・・。ああ、そうなの」
言ったのに。
3年になってすぐに話したのに。
覚えてもいない。
「とにかく、付き合い方を考えなさい。近所で変な噂でもたったらどうするの」
「変なって・・・。別に、私と春兄は・・・」
変な噂ってどんなの?
私が春兄を好きだって思うことも、いけないことなの?