☆子犬系男子にご用心☆



「結芽!?」



なんとか学校までたどり着くと、校門のところで立っていた春兄が慌てて駆け寄ってくる。




「おはようございます」

「なんで一人なんだ?お母さんは?」

「私がいいって言ったんです。松葉杖に慣れなくちゃいけないし。毎日送ってもらうなんて無理だから」



そう言って笑って見せる。
春兄は心配性だから。
今だってすごく心配そうに顔を歪ませる。

私以上に私のことで傷ついてくれる。



だからもう、春兄に迷惑をかけちゃいけない。
春兄を縛ったらいけない。


困らせたらいけないんだ。





「どうして・・・。そういうときは甘えたらいいんだ。明日からは俺が迎えに行くから」




なんで?
お母さんにあんなこと言われたのに。
それなのに私を心配してくれるの?


優しすぎるよ。




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