☆子犬系男子にご用心☆
「優樹菜、行くよ」
臣はそう言うと、水沢さんの手を取り歩いて行ってしまう。
一度も振り返ることなく。
私は、二人の繋がれた手をただ見ていた。
「ちょっと、結芽?いったいどうしたの?なにがあったの?」
「・・・行こう、志保。本当に遅れちゃう」
志保の問いかけに答える余裕がなくて私は歩みを進める。
私が望んだこと。
私が、臣にさよならって言ったんだ。
それなのに、なんで傷ついてるの?
あんなこと言っても、臣は私の事を好きでいてくれるって思ってた?
バカみたい。
そんなわけないじゃん。
私みたいなわがままで自分勝手な女・・・。
臣だって離れられて清々したはず。
これでいいんだから。
「結芽!ちょっと!」