☆子犬系男子にご用心☆


志保が言うように、臣といると楽しかった。
春兄だけだった私の世界に、臣が加わって世界が広がった気がした。


私には、まだこんな世界があったんだって。




こんな道だって、あるんだって。




でも、その道を選べなかったのは私。
今の道を外れることを怖いと思ってしまったから。





「本当に・・・バカなのかも」





私に残るモノはなんだろう。
結局私には、なにも残らない。



欲しいと願うものは、なにも手に入らないのだから。






家族も、好きな人も、居場所も・・・愛も。
なにもない。





空っぽな私。






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