☆子犬系男子にご用心☆
逃げられる場所も、なくなっちゃったんだ。
私は踵を返し、アパートを後にする。
もう、春兄に甘えることもできない。
そう決めたのも自分なのに。
なんで頼ろうとしてたんだろう。
トボトボと歩き、私がたどり着いたのは公園。
歩き疲れた私はベンチに座る。
「いた・・・」
足の捻挫、悪化しちゃったな・・・。
でも、もういいや。
私の身体なんて、どうなっても。
心配してくれる人なんていない。
私を必要としてくれる人なんていない。
―私はいらないって言ったのよ!
お母さんの声が頭から消えない。
あんな風に、はっきりと言っているのを聞いたのは初めてだった。