☆子犬系男子にご用心☆
家族の温もり
「着替え、僕の服使って」
「ありがとう・・・」
私は臣の家に連れられてきていた。
なんでついてきてしまったんだろう。
家に帰ると言ったけど、臣が許してくれなかった。
濡れた身体を玄関先で拭くと、臣がバタバタとお風呂の準備をしてくれた。
臣は、一軒家の実家で暮らしている。
「あの・・・。家族の人は?」
「え?あ、今日誰もいないんだ。二人とも旅行に行ってて。だから僕も遅くまで友だちと遊んでて」
「そうなんだ・・・」
「よし。はい、結芽ちゃん先に入ってきて」
そして着替えとタオルを渡される。
でも、私のせいで臣だって濡れているのに。
「臣、先はいりなよ」
「結芽ちゃんが先。なんなら一緒でもいいけど?」
「・・・っ、入ってくる!」
すっかり前の臣みたいで、少しホッとしている自分がいる。
学校で会った臣を思い出して胸が痛んだ。