☆子犬系男子にご用心☆
でも、それが普通だったしずっとそうだったから。
春兄にそれはおかしいって教えてもらうまで、それが当たり前なんだと思ってた。
「なんかあったら、いつでも相談しにこいよ」
「うん。ありがとう、春兄」
春兄は、私に家族を教えてくれた。
一緒にご飯を食べてくれて、私の学校の話をつたない子供の話を最後まで聞いてくれた。
私が中学に上がってからは、春兄も就職とかで忙しくなってあまり会うこともなくなってしまったけど。
あまり春兄に心配をかけたくない。
「結芽は、俺の家族みたいなもんだからな。なんでも言え」
ズキン。
私は春兄の事、家族だって思ったことないよ。
だって私は、春兄の事好きだから。
「うん。ありがとう。私も」
でも、言えない。
言って関係が崩れるのは怖い。
“結芽”って呼んでもらえなくなるのは。
“春兄”って呼べなくなるのは。
怖い。