☆子犬系男子にご用心☆
「高城先生のことで悩んでたの?」
「あ・・・、ううん・・・違うの」
臣と話してたら、なんで傷ついてたのかすっかり忘れてた。
臣のパワーなんだろうか。
「・・・うちね、あんまり家庭環境がよくなくて。両親とも仕事人間でね」
「へぇ。あんま家にいないの?」
「家には寝に帰るくらい。お父さんなんて特にいないし・・・。お母さんはさすがに帰っては来るけど、不本意なんだと思う」
「不本意?」
「仕事で輝いていたい人だから。家庭の犠牲になってるって、きっと思ってる」
本当はもっとパリパリに働きたいのに、私のせいでそれができない。
私がもっと小さいときには、今以上にそのことでイライラしてた。
私が高校に入ってからは、構わず仕事を入れるようになったけど。
「ずっとわかってたんだ。私がお荷物なんだって。私の学校行事になんか一度も来てくれたことなんてないし。褒めてもらったことだってない」
「・・・」
「いつも、行事に来てくれたのは春兄で、凄いね頑張ったねって言ってくれたのも春兄だったの」
すごく嬉しかった。
でも、余計に思ったんだ。
どうしてお母さんやお父さんはいってくれないんだろうって。
春兄は言ってくれるのに。
なんで、本当の家族の二人は言ってくれないんだろうって。