☆子犬系男子にご用心☆
「でも、今日ね・・・初めて直接じゃないけど、聞いたんだ。お母さんが・・・私の事をいらなかったのにって・・・。欲しくなかったのに、お父さんが欲しいっていうからだって・・・。そのせいで・・・」
「結芽ちゃん・・・。もういいよ。わかった、わかったから」
「・・・諦めてたはずなのに。変だよね・・・。なんで傷つくんだろう」
愛なんてないと、わかってたはずなのに。
心の中で、本当は違うんじゃないかって望んでたのかな?
バカだな、そんなわけないのに。
溢れだした涙を両手で隠した。
「結芽ちゃん・・・。僕は、結芽ちゃんがいてくれなきゃ困るよ」
「・・・っ」
「僕には、結芽ちゃんが必要だよ」
心地いい。
臣に抱きしめられるのは、初めてじゃないけれど。
こんなに、安心したのは初めてかもしれない。
臣の言葉が優しくて。
私はいつしかうとうとと眠ってしまっていた。