☆子犬系男子にご用心☆




「あらあら、まぁまぁ!」




覚醒するかしないかの瀬戸際にいる時に、人の気配と同時に女の人の声を聞いた。
え?誰・・・?うっすらと目をあけると側に臣のドアップが。

私、臣に抱きついたまま寝ちゃってたの!?
慌てて臣をはがし、距離を取る。
臣はまだ眠っていてバタンとソファに倒れこんだ。




「・・・って、え!?」

「ふふ、おはよう。でいいのかしら?」




物腰の柔らかそうな女の人。
柔らかい髪質の髪は臣に似ていて、優しそうな眼もとに綺麗に弧を描く唇。
もしかして、臣のお母さん?




「あ、あの・・・。す、すいません。私・・・」




こんな、親の留守の時に上り込んでるなんて・・・!
非常識すぎて、どうしよう!!




「いいのよ。まったく臣ったら、布団位ひいてあげないで、ごめんなさいね」

「え、あ、いえ・・・。違うんです、私が・・・」

「お味噌汁、作ったら飲む?」

「え、あ、あの、お構いなく!」





私はどうしたらいいかわからなくて戸惑う。
こんな風に親切にされることなんてなかなかなくて困る。




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