☆子犬系男子にご用心☆
私が欲しかったのは、こういうものだったんだって。
こんな、家族が欲しかった。
「本当にありがとう、臣」
「え?あ、いや・・・。僕は何も・・・。こっちこそ母さんがごめん。あの人、ほんと能天気っていうか、いっつもああだから・・・」
「ううん。すごく、嬉しかった。臣が、羨ましいって思った」
私がそう言うと、臣は私をまっすぐ見た。
その瞳はなにを考えているのかわからなくて。
「結芽ちゃん。これから、なにがあっても僕がいるから。辛くなったら一番に僕に教えて。どこにいても飛んでいくから」
「臣・・・」
「僕の気持ちに応えられないからって、遠慮なんてしないで。その方が傷つく。結芽ちゃんの抱き枕要因でいいからさ。僕を使ってよ」
そんな事、許されるの?
でも、臣は嘘はついてない。
私にまっすぐぶつかってくれてるのがわかるから。
「わかった・・・。辛くなったら臣に連絡する」
「うん。絶対だよ」
救われたのかな。
心が軽い。