☆子犬系男子にご用心☆
春兄と別れ、家に入る。
一度リビングに顔を覗かせると、お母さんがシンクに向かって洗い物をしていた。
「・・・あら、なに。今帰ったの?」
振り向いたお母さんが私に気づき怪訝そうな顔でつぶやいた。
「やめてちょうだい、朝帰りなんか。ご近所になに言われるか・・・」
ため息交じりにそう言われ私はグッと拳を握る。
私が、いなかったことにも気づいてなかった。
心配なんて、しているはずもなかった。
「ごめんなさい」
私は一言そう言うと階段を上がる。
バタンと扉を閉め、ズルズルと座り込んだ。
臣のお母さんの温もりを感じてしまった後だから余計に堪えるんだ。
あんなお母さんがいるんだって、知ってしまったから。
pururururur
携帯の着信音が鳴る。
慌てて取り出すと、臣からの着信だった。