☆子犬系男子にご用心☆



「もしもし」

―結芽ちゃん?

「・・・どうしたの?」



臣の声を聞いて、ホッとしている自分がいた。




―そろそろ家に着く頃かと思って

「うん。もう自分の部屋だよ」

―結芽ちゃん、今泣いてない?

「え・・・」

―泣きそうな声してるから




優しい穏やかな声が受話器から直接耳に流れ込んでくる。
臣の優しさを、私は受け入れていいんだよね?




「・・・泣きそうだったけど、もう平気」

―そっか

「臣が電話くれたから」

―・・・そ、っか




臣が言葉を詰まらせ黙り込んだ。
どうしたのかと思って、私も言葉を失う。






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