☆子犬系男子にご用心☆



「・・・結芽ちゃん?どうした・・・・」




臣の家を訪ね、チャイムを鳴らすと出てきた臣に抱きついた。
戸惑ったように手を泳がせた臣が、そっと私の身体を抱きしめる。




「どうしたの?」

「・・・っ、うっ・・・・」

「泣いてるの?」





優しく私の背中を宥めるように撫でる掌が温かくて。
全てを吐き出すように声をあげて泣いた。




臣は何も聞かずに、ただただ抱きしめて、優しく擦ってくれる。




その温もりに、今だけは甘えさせて・・・。






なにもなくなってしまった空っぽな私に。






残されたのは、一体なんなのか・・・。






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