☆子犬系男子にご用心☆
「結芽さん!」
授業が終わり、帰ろうと教室を出ると。
目の前に、金色の髪の毛がチラついた。
私は、返事もせずにそのまま通り過ぎる。
反応するからいけないんだ。
「ちょ、ちょっと!結芽さん!」
麻生くんは懲りずについてくる。
ていうか、普通に下の名前で呼ぶのやめろ。
「市川さんです。先輩なんだから、そう呼びなさい」
「えー、結芽さんの方が可愛いじゃん!」
「それと敬語!」
別に、上下関係とか特別気にする方じゃないけど。
あんただけは別よ!
「むー、志保さん。どう思いますか?」
「えっ、私?」
ターゲットをシフトチェンジする彼に、慌てて立ち止まる。
「ちょっと、志保にちょっかい出さないで!」