☆子犬系男子にご用心☆



「なにしてんの、あの人」



思わずつぶやいた言葉。
今日は、高校の入学式の日だ。


3年になった私は、入学式に出なければいけない。
だから今日は登校日だ。



そして、少し早くついてしまった学校。
校門を抜けてすぐ右にある桜の木。
満開だと見上げて気づいた。



満開に咲き誇る桜の中、木の枝に持たれながら眠る男の子。




「3年・・・じゃないわね。見たことない顔だし」



気になって近づいて見れば、見たことのない顔だ。
2年生なら今日は来ていないはずだし。

そもそも、制服が真新しい。



「1年・・・?」



おいおい、1年がなんでこんなところで寝てるわけ?
今日の主役はあんただ!





< 2 / 259 >

この作品をシェア

pagetop