☆子犬系男子にご用心☆
「プリント、出してないだろ。ちゃんと出すように」
「あ、忘れてました。すみません」
春兄に指摘されて思い出した提出期限が迫るプリント。
確か、まだカバンの中に。
「・・・もう、俺は結芽の力にはなってやれないのか?」
「え?」
「気持ちに応えられないのに虫がいいとは思うけど・・・。俺は、やっぱり結芽の事が心配だし、見守っていたいと思ってる」
「・・・春兄」
「春兄として・・・、お前の側にいさせてくれないか?」
春兄を見上げる。
私は答えに困って黙ったまま。
春兄は困ったように笑った。
「すまない、ほんとうに虫のいい話だよな」
そう言って踵を返し行ってしまいそうになる。
「ま、待って・・・」
私は思わずひきとめていた。