☆子犬系男子にご用心☆
第7章
過去
身体が勝手に動いてた。
泣いてる彼女を見たら、頭が真っ白になって。
どうしようもないのに。
僕が・・・、俺が追ったところで、彼女を救うことはできないのに。
俺じゃ、彼女を幸せになんか、できないのに。
「待って、みゆ!」
人ごみをかき分け追いついてみゆの腕を掴んだ。
泣きながら走るから、息の切れたみゆを落ち着かせるように抱きしめる。
「お、み・・・っ」
「人のいないとこ、移動しよう」
「ん・・・っ」
泣きじゃくる彼女が、見捨てられないだけ。
もう、この想いは恋じゃない。
恋なんかじゃない。