☆子犬系男子にご用心☆
「私だけを見て欲しいって思う。他の誰かの事を想ってほしくない。それが、どれ程大切で、どれだけの絆があるんだとしても・・・」
「・・・結芽ちゃんのこと?」
「わかってるの。私には入り込めない絆があるんだって。彼はね、ちゃんと話してくれた。彼女がどんな環境にいて、今までどんなふうに付き合ってきたのかも」
あの二人の絆は、きっと深いし堅い。
それはきっと、本当の家族よりもずっと。
「でも、私だって寂しいし、私だって彼の事必要としてるのに」
「・・・やめちゃえば?」
「やめたら臣が、慰めてくれれるの?」
切なげに微笑むみゆが俺を見る。
色っぽいみゆが、なんだか自分の知らないみゆに見えた。
「みゆが、望むなら」
「・・・バカね」
みゆが求めてるのはいつだって俺じゃない。
俺は子どもで、みゆの隣には並べない。
みゆが、年上の彼氏ができたと知った時、痛感したんだ。
俺にはその場所にはどう頑張ってもいけないのだと。