☆子犬系男子にご用心☆



「臣を・・・好きになれたらよかったのにね」





そんな、好きになんかなれないって言ってるようなもんじゃないか。
ずるいね、みゆは。




「・・・あの子に、ちゃんと謝っといて」

「え?」

「結芽ちゃん。・・・少し意地悪したくなったの」

「いじわる?」

「ああやって逃げれば、臣は追いかけてくれるんじゃないかって・・・。それくらいの意地悪、許されるよね・・・」




そう言って笑ったみゆの瞳から一筋の涙が零れる。
それでも君は、その道を行くんだね。

もう、俺の事を振り向いてもくれないんだ。




「俺から、言っとくよ」

「ふふっ」

「なに」

「やっぱり、臣は私といるより彼女といたほうがいい」




みゆはそう言って、今度こそ本当に笑った。






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