☆子犬系男子にご用心☆
夏休みの間、臣から連絡が来ることは結局なかった。
二学期の始業式。
朝、いつものところに臣はいなかった。
ああ、それが答えなんだとやけに冷静に思った。
諦めることには慣れている。
家族だって、恋だって、いつだって諦めて来たから。
臣のことだって、すぐに忘れる。
それでいい。
もう、これ以上傷つきたくなんてない。
「結芽、おはよ」
「あ、志保。おはよう」
「あれ、今日は臣くんと一緒じゃないの?」
靴箱で会った志保とあいさつを交わし、臣がいないことに首をかしげてる志保にあいまいに笑って答えた。
「なんか、あった?」
「・・・もういいの」
私は一言そう言うと、教室に急いだ。