☆子犬系男子にご用心☆
「帰ります・・・」
「え?あ、ごめんなさいね。引き止めて・・・。でも、わかってほしくて。臣は、あなたの事・・・」
「もう、わかりましたから・・・」
わかったよ。
全部。
「・・・本当に?」
「はい。臣は、いつだって、・・・みゆさんの事を想ってるんですね」
私はそう言うとお金をテーブルに置いて席を立った。
「結芽ちゃん!」
背中に投げられる声を振り切るように走って。
こみ上げる涙を忘れるように風をきる。
ああ、すべてはみゆさんを想ってたから。
イルカを好きになったのも。
スペシャルランチメニューを食べるのも。
あの水族館を選んだのも。
全部、全部。